能力がある選手が勝つ。ビジネスやスポーツの世界ではそんな言葉をよく耳にします。もちろん身体能力やセンスは大きな武器になります。しかし長く競技を続け、結果を出し続ける選手たちを見ているとある共通点があります。それがGRIT(グリット)です。GRITとは、心理学者の Angela Duckworth が提唱した概念で、情熱と粘り強さを持って長期的な目標に向かい努力し続ける力を指します。つまり、短期的な成功ではなく長く挑戦し続けられる力のことです。スポーツの世界では能力や才能だけで勝ち続けることは難しいです。怪我やスランプ、挫折や環境の変化、世代交代など…、競技人生には何度も壁が訪れます。その時に重要になるのは、「自分は何のために競技を続けるのか」という情熱と、「もう一度挑戦しよう!」と立ち上がる粘り強さだと思います。実際、トップアスリートほど地味な努力を続けています。毎日のルーティンを守る、基礎練習を繰り返す、コンディション管理を徹底する、結果が出なくても自分を信じて積み上げる、これらはまさにGRITそのものです。そして、この力は競技だけで終わらない。むしろ、引退後の人生でこそGRITは大きな武器になります。セカンドキャリアでは、多くのアスリートが新人になります。営業、マーケティング、経営、教育、発信…。最初は上手くいかないことの方が多いです。しかし、スポーツを通じて培ったGRITを持つアスリートは強い。失敗しても改善する、悔しさをエネルギーに変える、目標に向かって継続する、仲間と支え合いながら前に進む、これは、ビジネスの世界でも圧倒的な価値になります。今の時代、変化のスピードはどんどん速くなっています。だからこそ、一瞬の能力や才能よりも学び続けられる人、そして挑戦を続けられる人が強いです。アスリートは、すでにその素質を持っています。大切なことは、自分の経験を競技だけのものにしないこと。勝った経験だけではない負けた経験。苦しかった時間。逃げずに自分と向き合った日々。そのすべてが人生を切り拓くGRITになります。競技人生で培った“やり抜く力”は、一生の武器になります。現に私自身がそうだからです。 “やり抜く力”はスポーツ界だけでなく、社会全体を前向きに変えていけるはずです。